引用:映画「八犬伝」公式サイト
映画館で見た「八犬伝」感想
映画館で評判良さそうだし、観たいジャンルだったので観てきました。興行収入が先週一位で現在興収4億ヒット中の作品。(今週はヴェノムが一位?)監督は、「ピンポン」などの曽利文彦、主役は役所広司、原作は山田風太郎の小説
簡単なあらすじ
滝沢馬琴(役所広司)の小説を書くという創作活動と、彼の作品である「南総里見八犬伝」の世界が交差する物語。馬琴の現実の人生と、南総里見八犬伝の登場人物の創作の物語の、「実」「虚」の二つが交互に描かれる。
「実」の部分では、馬琴が葛飾北斎(内野聖陽)との関りや、芝居を見に行き創作物の問題を考える部分や、周りの家族等の支えなどの人生の一部分。また、物語の「虚」の部分では、8つの珠の元に里見家にかけられた呪いを解くため8人の剣士が引き寄せられる小説の部分があり、物語が進んでいく。
今作のポイント3つ
① 虚構と現実の交差
なんといっても今作の特徴としては、現実と虚構の話が交差すること。八犬士の冒険が「虚」の世界として描かれ、「実」の馬琴の生活を支えているようである。馬琴の生活は中々幸せとはいいがたい部分が多く見られるが、物語として善が悪に勝つという話をなんとか書いていくことにより、馬琴自身が救われているのではないか。テーマとしては、虚構であっても善が悪に勝つという作品の信念を貫くことで、希望となるということかなと。そして、時代を超えて愛される作品がどのように生まれるかを探ると同時に、創作者の苦悩と成長を丁寧に描いている。
➁ 馬琴の周りの人の支え
北斎の絵や、周りの人、家族の支えによって馬琴はかなり精神的に助かっています。創作者というのは時に孤独なものですが、今作では他者との結びつきは確かにあり、全くの孤独ではないと訴えかけます。
➂アクションの迫力
南総里見八犬伝の部分では、かなりのアクション部分があり、迫力があり爽快な気分を観客に味わわせる。役者陣も新鮮な若手俳優が多く、躍動感がある。
他、感想など
馬琴の苦悩、人生と周りの温かい支えが合わさることにより、「虚」であったものが「実」を超えゆる希望の物語へとなっているのかなと。そうなったらいいなという気持ちですね。創作者の魂が入った一作。
今作はドラマ部分もアクション部分も充実してますし、作品としてのテーマ性も芯のあるものがあります。大人から子どもまで多くの人に見られる作品かと。個人的にはいい作品なので、ヴェノムに興行収入で勝ってもう一回週間ランキング一位になって欲しいなー今回はこのへんで。ありがとうございました。
監督 曽利文彦
公開 2024年
出演 役所広司
内野聖陽 など
制作国 日本
時間 149分